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東京の低いトンネル四天王を訪ねる

ワタシは身体が大きいので、常に世の中に窮屈さを感じながら生きてきた。  高校生ぐらいになると身長が家の鴨居を超え、 急いで電車に乗るときによく入り口に頭をぶつけるようになり、、 さらに横幅もあったので、肩や腕も仕切りや壁にドカンドカンとぶつけまくる始末。

そういう半生を歩んできたせいで、 ワタシは頭をぶつけそうな場所や狭い場所に入るときなどは必要以上に気を使ってしまい、たとえば 電車の社内広告の下を歩くときなど、そこまでする必要はないだろうというくらい大げさに身をかがめたりしてしまうのだ。

しかしその反面、低い場所・狭い場所に対して、ワタシは異常なる興味を引かれる。 ある意味トラウマであろうそんな感情を満たしてくれる、東京の低いトンネル四天王を尋ねてみた。

まずは品川駅の北側にある 『高輪橋架道橋』。 制限高は1.5メートル、恐らく東京では自動車が通行可能な最も低いトンネルであろう。 加えて長さも250メートルほどあり、圧迫感は相当なものだ。

トンネル内の実際の高さはもう少しあると思うのだが、ワタシの場合、膝と腰を曲げた状態で通るほかなく、その状態でこの距離を通り抜けるのは結構つらい。

タクシーの提灯が壊れる事故がよくあるそうだが、車だけでなく、バイクも、おばさんの自転車も結構みんなスピード出して走っているのには驚かせる。

ワタシのようにデカクて頭をぶつけ続けてきた人間には、たとえ車高の低い車を運転していたとしてもそんなことできない。  狭いところに入ると本能的に身をかがめ、自然とゆっくりと行動するようになってしまう。
 
ワタシの横を猛スピードで通り過ぎた原チャリを見て、次のような法則を考えた。  “トンネル内でスピードを出して車を運転できる人は背が低い。” というのものだが、いかがだろう。

お次は制限高1.6メートルの『北砂越中島貨物線ガード下』。

  都営新宿線の西大島駅から明治通りを南に向かって2キロ程行ったところの砂町銀座入口交差点を右に曲がったところにある。 グーグルのストリートビューでも見れるのが嬉しい。

トンネル内の高さは結構あり、いきおいよく弾みをつけて歩かなければ、かがんで歩かなくても大丈夫だ。 しかしトンネルがゆるやかな坂を下った場所にあるので、坂の上から見ると実際以上に圧迫感を感じる。

坂の上からこのトンネルに向ってスピードを出した自転車で通り抜ける人たちを結構見かけたが、ワタシには恐怖心が邪魔をしてできそうにない。  そういうことは、天井に頭をぶつけたという記憶が圧倒的に少ない人種のみが行える蛮行なのだ。

ここは貨物線の車庫への引込み線をくぐるトンネルで、昭和てきな場末感がまだ残されていてワクワクしてくる。  幼少時代のようにガードをよじ登り車庫に侵入したい衝動に駆られもしたが、いわゆる大人の常識というのが邪魔をして行動には至らなかった。 ま、それが正解だろう。

三つ目がJR大森駅から線路沿いに南に2キロほど行ったところにある 『大田区作尻ガード下』だ。

制限高は1.7メートルだが実際のトンネル内の高さはもっとあるので、まず天井に頭をぶつけることはないだろう。

しかしこのトンネル、低さはそうでもないが、かなりキケンな構造となっている。  トンネル内はトンネルの西から東に向っての一方通行なのだが、四本の道路が下り坂で一点で合流した場所がトンネルの西の入り口になっているのだ。

  4・5人の大男たちが横並びで歩いていき、狭い入り口にそのまま一斉に入ろうとしてそこで押し合いになる、という 小林まこと氏の「1・2の三四郎」によく出てくるシーンがあるが、これが自動車同士で起きる可能性がたぶんにありそうだ。

地元の人に聞いたが、やはりここは事故多発地帯だということ。 ここを通る御仁は厳重に注意されたし。

ちなみに日休を除く 7:45-8:45 と 14:00-15:30 の間は歩行者専用道路になる。

最後が、東武伊勢崎線 牛田駅から堀切駅方面へ行ったところにある制限高1.7メートルのトンネルで、特に名前はついていないようだ。

ワタシがこの写真を撮ったときは制限高は1.8メートルであったのだが、他の低いトンネルへのライバル心か、 現在では制限高1.7メートルとなっている。

実はこの近辺に京成本線のガードがあり、そちらは大型トラックも十分通れる高さである。  これを京成電鉄の地元民に対する配慮と取るか、低いトンネルに対する意識の無さと取るかは各人の嗜好の問題であるが、 ワタシとしては、是非そちらのガード下に盛り土をして、制限高の低さで東武伊勢崎線と競い合ってもらいたい。

お互いがどんどんガード下を狭くし合って、久しぶりに行ってみたらハイハイして通るしかなかった、なんてことになっていたら、 楽しいだろうなぁ。 京成電鉄はそのぐらいの意気込みを見せて欲しいものである。

ガード下が低いから褒めるわけではないが、東武伊勢崎線沿線のもつ場末感は素晴らしいの一言につきる。  平日の夕方、煮込みをアテにホッピーに酔いしれたくなるような店がチラホラと残っており、昭和レトロ魂をくすぐってくれる。  こういう雰囲気は是非、今後も残しておいて欲しいものだ。



アクセス

【高輪橋架道橋】 東京都港区港南と港区芝浦の町境
制限高1.5メートル、長さ約250メートルの都内最低最長の自動車用トンネル。

【江東区北砂越中島貨物線ガード下】 東京都北砂2丁目
制限高1.6メートル。貨物線の引き込み線路のガード下。

【大田区作尻ガード下】 大田区中央2丁目
制限高1.7メートル。トンネルの入り口が五叉路になっている。

【東武伊勢崎線 牛田駅近くガード下】 足立区柳原1丁目
制限高1.7メートル。昭和レトロの雰囲気が残る繁華街が近くにある。


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