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新郷土料理探検

喜連川の鮎めし(栃木県 さくら市)

喜連川地方は、古河公方の祖である足利成氏(足利尊氏の次男 基氏を祖とする鎌倉公方の五代目) 喜連川氏ゆかりの土地だ。

古河公方全盛の時代は関東の覇者のお膝元として、 江戸時代は宿場町として栄えた場所であるが、 明治時代以降、歴史ゆかりの土地柄か、東北本線や烏山線の路線設置や駅建設を拒んだため、 地域開発が遅れてしまう。

しかしそれが幸いして、東京からそんなに遠くない場所にも かかわらず、今も豊かな自然が残り、鮎の産地として名高い土地である。


香り高い鮎の風味は、まさに初夏を堪能させてくれる食材だ。

遠火でジックリ焼いたり、焼いた鮎を骨酒にしたり、 骨まで柔らかく甘露煮にしたりと、楽しみ方も豊富で嬉しくなってしまう。  なんとこの地には、焼き鮎を入れたラーメンまでもあるのだ。

様々な食べ方を楽しめる鮎だが、 やはり米喰う日本人にとって、炊き込みご飯を忘れるわけにはいかない。  ちゃんと道の駅の売店でも写真の鮎めし弁当が売られていた。

ホクホクしたご飯に鮎の香りが染み渡り、これぞまさに日本人の最高の贅沢 初夏版と いう感じだろう。

上の囲みで書いたように、この地は明治以降、開発の波に乗り遅れた感があるのだが、 それが幸いしてこんなに旨い鮎を、しかも東京からそんなに遠くない場所でいただけるのだから、 運命とは解らないものだ。

ワタシの人生はとても 「勝ち組」 と呼べるようなものではないが、 開発の波に乗り遅れた喜連川に美味しい鮎が残ったように、 ワタシの人生にも何か良いこともあるかもしれないなぁ、なんて思いながら鮎めし弁当をいただいた。

またこの界隈は 「日本三大美肌の湯」 として知られる 「喜連川温泉」 でも有名な場所だ。  日帰り温泉もあるので、一風呂あびてから鮎をいただく、なんて実に粋なことも 楽しめてしまう。 こんなことができるのも、バツイチ独身の気楽さゆえか。  人生も町も 前に進むことばかりが能じゃないってことだろう。

それにしても、我々だけでなく、 次の世代にもこの美味しい鮎料理を堪能してもらうために、 この環境を守って行かなきゃなりませんなぁ。