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新郷土料理探検

そばの実なめこ(埼玉県 秩父)

みやげ物屋でこの名前を見つけたときにまず感じたのが「蕎麦関連で、ワタシの知らぬものがあるとはケシカラヌ。」 だった。 ワタシは自称 “隅田川で産湯をつかった” 生粋の東京っ子で、当然 “大の蕎麦っ喰い” なのである。
しかし、サンプルを見ると見覚えのある “ツブツブの入ったなめこ”、なるほどこれなら居酒屋のお通しなどで出された記憶がある。 しかし、蕎麦の実の味がどんなものだったか想い出せない。東京っ子の蕎麦っ喰いが聞いて呆れるなぁ。

道の駅 あらかわ

埼玉県秩父市荒川日野538-1

武甲酒造

埼玉県秩父市宮側町21-27

それにしても言葉の力とは偉大なるものだ。 ただの「なめこ」に『そばの実』という単語が加わるだけで、実にワクワクさせてくれるではないか。

そんなことを言うと「えっ、そうか?」と異論を唱える御仁もいるだろうが、蕎麦というのは東京っ子や時代劇ファンや落語好きにとって(ワタシは全て当てはまるが)、単なる喰いものの範疇を超えた、『粋』とか『江戸文化』などを喚起させる重要なアイテムなのだから仕方がない。

ワタシ自身、あと10年ちょっと経った頃には、蕎麦屋で『たまごやき』や『いたわさ』をアテにお酒を嗜み、〆に『せいろ』を “たぐる” のが似合う大人の東京人になってやろうなんて、密かに考えている次第なのだから。

そんなこんなでこの 『そばの実なめこ』 を買って帰ってきたたが、さてどうしたものか?  つまり酒のアテにするべきか、それとも、炊き立てのご飯に乗せて、ぐぉーっとかっ込むべきか、悩んでしまう、というわけだ。

その手の悩みの最善の解決策として両方を試してみた。 まずは酒のアテ。 秩父の品をアテにするのであるから、酒も当然、秩父の蔵元『武甲正宗』を人肌でいただく。

蕎麦の実の香ばしさや舌触りとカツオだしの効いた なめこ との組み合わせが、深い味わいの武甲正宗に素晴らしく合い、さすが同郷の組み合わせだ、と唸る。 これを西洋では結婚を意味する 『マリアージュ』 などと呼ぶようだが、結婚というよりはむしろ人目を忍んで愛人としっぽり一杯やりたい感じである。

ほろ酔い加減のころ丁度ご飯が炊けたようだ。 炊いた米だが、このサイトにたまに現れるCGIプログラムなどを書いてくれる おやじー氏 の実家からいただいた、正真正銘の魚沼産のこしひかりなのだ。 しかも、いただく直前にその場で精米してくれたという付加価値付き。 それを普通の女性ではちょっと持ち上げることができないくらいの重さの鉄の鍋で炊いた。 炊き上がりのときの香りがまた素晴らしい。 そんな至高のご飯の上を箸でへこませ このそばの実なめこを乗せて食して、いや、かっ込むでみた。

その味たるや、その感激たるや推して知るべし。 炊き立てのご飯にカツオだしの効いた 『そばの実なめこ』 の組み合わせなんだから美味いに決まってるのだ。 さきほど 『マリアージュ』 の話しを書いたが、酒との組み合わせが 『愛人』 なら、ご飯との組み合わせこそ 『マリアージュ』 そのものだろうなぁ、なんて考えてみたものの、そもそもバツイチのワタシがそんなことをいうのもいかがなものかと自問自答してしまった。

最近流行の小難しい健康ウンチクを付け加えよう。

蕎麦には 「ヌチン」(蕎麦の代表的な栄養素の“ルチン”とは別もの。ルチンはビタミンPを構成する成分の一つで高血圧や動脈硬化に効果があると言われている。)と呼ばれヌルヌル成分が含まれ、これは蛋白質を体内に取り入れやすくしたり抗体力を高める効果があるらしい。

また、なめこのヌルヌル成分である 「ムチン」 には動物細胞の粘膜を構成し細胞の保護や潤滑物質として作用する働きがあるのだとか。

つまりこの そばの実なめこ は「ヌチン」と「ムチン」というヌルヌル成分同士のマリアージュともいえる食品だというわけだ。




【道の駅 あらかわ】 『そばの実なめこ』以外では この地方の特産物 『中津川芋』 の料理がおすすめ。(店内で食べられます)
また、温泉施設が併設されていますので、これまた楽しめます。

武甲酒造 昔ながらの蔵元をイメージさせる店内はまるで博物館のよう。
中庭から流れる清水は容器を持参すれば分けてもらえます。


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