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新郷土料理探検

ゼリーフライ (埼玉県 行田地方)

埼玉県の行田市界隈のとても有名な郷土料理に「フライ」と「ゼリーフライ」がある。

名前が似ているが、まったく別の料理である。 だったらもっと区別しやすいような名前にすればよかったのにと思うが、 このあたりの融通が利かなさが、上杉、北條、そして豊臣と戦をしながらも落城しなかった忍城(おしじょう)のお膝元らしい。

行田市内には「フライ」や「ゼリーフライ」の看板やノボリが結構目立つし、スーパーのお惣菜売り場では普通に「ゼリーフライ」を売っている。 しかし、これらの料理を行田界隈以外で見る事はまずないだろう。

「フライ」から「揚げ物」を連想されるかもしれないが、「フライ」は揚げ物ではない。 ゼリーフライは「お菓子類のゼリー」と関係があるのかと思う御仁もいるかもしれないが、ゼリーフライにはゼリーは入っていない。  謎は謎を呼ぶばかりである。

ここでは ゼリーフライ について説明する。 フライについては別の機会に。

ゼリーフライとは、一口で言えば“コロモの無いコロッケ”のようなもので、オカラに刻んだジャガイモやタマネギ、ニンジンをまぜてコロッケ状にして油で揚げ、それをウスターソースにズボっとくぐらせたものだ。

名前のゼリーとは「銭」が訛ったものだという。 その形が銭(小判型ということか)に似ているからということで、銭フライが訛ってゼリーフライになったとか。

また、その歴史は日露戦争に関係があるらしく、ものの本によれば、当時、満州地方(中国東北部と書くべきか)で従軍していた< 大澤常八さん という方が考案者らしい。

大澤常八さんは満州で食べた野菜入りのまんじゅうがたいそう気に入ったらしく、戦後、故郷である行田に戻ってから、なんとか似たものを作ろうと試行錯誤のうえ出来上がったのが、 このゼリーフライだということだ。

こういった “作った方の名前が残っている料理” というのは実に面白い。 是非、伝え残していってもらいたい。

ゼリーフライは串に刺したものもあり、それなどまさにファーストフード感覚で食べ歩きができる。 行田に行ったらゼリーフライを片手に水城公園を散歩するのが通の道としるべし。

行田市のサイトには 「フライ・ゼリーフライマップ」 というのがPDFファイルで置いてある。 フライ・ゼリーフライ探索をするときは必ずプリントアウトして持っていくこと。