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バスコ・ダ・ガマやマゼラン、そしてコロンブスなどの 英雄達を冒険に導かせたのも コショウなら、アジアがヨーロッパの植民地とされてしまう きっかけを作ったものコショウ。 まさに人々の心をかき乱す、 魔性のスパイスと言えるでしょう。

今回は、このコショウを使った簡単で超はまる、トリップ料理を紹介します。  しかしこの料理はスパイスキチ@イのワタシが推薦もしくは開発したものなので、 通常の日本人には絶対に向いていませんし、特に消化器系や心臓の弱い人は 絶対に真似しないように。  この料理をレシピ通りに調理すると、 口に合わないばかりか健康を害する恐れがありますし、 ヘタするを心臓麻痺などを起こして死にます!  そこんとこヨロシク! と、いうわけで先に進みたいと思いますデス。




小学校や中学校の教科書では “ヨーロッパ人は肉を食べる、肉を保存するためや味付けするためにはコショウが必要、だから かれらはコショウをもとめて東南アジアに進出していった” と 教えられましたが、 これって考えるとすごくおかしな話ですよね。

だって、コショウが無いときから彼等は肉を食べていたわけで、 その時は塩やセージだのオレガノだのタイムだのといったスパイスを使って 腐敗を防いだり味付けをしたりしていたわけでしょう、 なにも命がけでコショウを探しに大海原に出て行く必要なんてなかったじゃないですか。

コショウを探しに旅に出た理由を “●●するのにコショウが必要だったから”っていう素っ気ない理由で 説明したんじゃ、本質は見えませんねぇ。 やはり “一度コショウの素晴らしさを知ってしまったからには もうコショウなしでは生きていけない”っていう、 すごく本能的な理由があったことをキチンと学校では教えないといけませぬ。

ようは、サルにオナニー教えると死ぬまでやってるってのと同じで、 “おいしい”とか“気持ちい”といった本能的な快楽は モラルや宗教を超えて、人間の行動に強烈に影響を与えるってことです。 

だから教科書にだって  “ヨーロッパ人が東南アジアにコショウを求めて進出したのは サルが死ぬまでマスかき続けるのと同じ理由です。  人間の本性はサルと変わりはないのです” って書き換えるべきでしょうねぇ。

しかも、このコショウへの想いが植民地時代をうみ、それが 太平洋戦争にまでつながるのですから、なまじ文明を持っているだけに、 人間はサル以上に始末がわるいってわけです。 逆に言えば、 それほどまでに人間の心を迷わせたコショウ、まさに恐るべしということでしょうか。



ワタシはよくコショウを酒の肴にするのですが(実は今も)、 あの香りといい、口の中に広がる刺激、そして食べ続けると目はウツロ、 頭はボーッとなって、めんどくさいことなんかみんなどっかに飛んで行っちゃうし、 酒をストレートで飲む時にはコショウの刺激がチェイサー代わりになって、 どんどん酒が進んじゃうし、もう最高の現実逃避アイテムなんですよ、こしょうは。  いやー、いい気分だなぁぁぁぁ。

もちろん酒の肴だけでなく、ステーキにも目玉焼きにも、そして自家製カレーを作るときにも、 これでもかっていうくらいコショウ使いますからねぇ、そういえば子供のころは よく親から 「そんなにかけると馬鹿になるぞっ」 って怒られていましたっけ、ハハハ。

世の中にはマヨネーズがないとダメな人とか、なんにでもケチャップかける人とか結構多いですが、 マヨやケチャなんて子供のお遊びですよ、あんなもの全然来ませんよ!  あんなものメンボウで耳掃除してるって感じですよ。  コショウの刺激を例えるのなら、強靭な耳掻きでガキッと耳垢を取り除く あの感じですよ! 耳垢とったあとも、しばらくの間、 耳の中がジーンとなっているあの感じですよ! ツメ伸ばした人差し指を鼻の奥までググッと入れて、 乾燥しまくった冬の季節に鼻の内壁にシッカリとこびり付いたハナクソを鼻毛ごとグゴッとひっぺがして、 ついでに鼻血が出ちゃったあの感じですよ! 鼻血流しながらも、ほじった巨大なハナクソを満足げに 指先で丸めるあの感じですよ! (おっと興奮しすぎた)

ということで、ニッポン人よ、もっと積極的にコショウの魔力に身をゆだねようではないかっ。  若者よ、ドラックなんかに走らず、コショウの凄さを味わうが良い!!



コショウの本場といえば、熱帯アジア、なかでもインド。 で、インドの代表的な激コショウ料理に  「ムリクタニ」 というものがあります。  これはこれでもかというぐらい多量の青コショウを煮つめ、 カレー粉(ガラムマサラやターメリックなど)で味を調えた スープで、 まず普通の日本人には絶対に口に合わない料理なのです。  そんなわけで普通のインド料理屋じゃ、まずないでしょうし、あっても “日本人の口に合わせた” 軟弱な ものになっている場合がほとんどです。

特に英国風レストランで「マリガトーニ(Mulligatawny)」として売られているものは、 チキンとポテトの入ったカレー風味のスープで、すりおろしリンゴとサワークリームで味付けしてある、 なんともカッチョいいスープなんですが、これは本場インドの「ムリクタニ(インドでの綴りは知りませんが)」 とは全く別のものになってしまっています。

英国風はこれはこれで良いとして、 エスニック料理なんかで “日本人の口にに合わせた” と銘打っている ことのインチキさといったらありゃしないですね、まったく。  特に現地の料理人のいる店の場合 「わざわざ日本人の嗜好に合うように調整してくれたんだぁ。」 なんて 絶対に思いませんから、ワタシは。  なむしょりん なワタシの脳みそには、この言葉が 「どうせオメーら、あまちゃん日本人には 俺達が食べているような本格的な刺激に耐えることなんかできないんだろ、 ま、しゃーねぇから、刺激を抑えたモンを調理してやるよっ。」 って聞こえてならないんですよ。  も、こーなるとワタシの中の愛国心がメラメラと燃え上がりますからねぇ。  だからインド料理屋に行って 「辛さはどれくらいにしますか。」 なんて聞かれると、決まっていつも  「この店で一番辛いやつをくれ。」 って言いますから!  (でも、はたしてこれって愛国心なんだろうか。。。)   閑話休題

で、この 「ムリクタニ」 ですが、もし貴方のお住まいのお近くのインド料理屋の メニューにあったのならば 「本場インドと同じ味付けで」 と前置きして 頼んでみると貴方の耐スパイス度が分かるかもしれませんが、 身体を壊す恐れがありますので、 ご自身で責任を持って召し上がってくださいませマセ。



本場の味付けのムリクタニはなかなか日本で食べることが難しいのですが、 東京銀座の ナイルレストラン という開店50年以上も経つ、 インドの方が経営しているレストランでは、メニューには載っていませんが、 頼めばこのムリクタニをつくってくれるのです♪

2006年の1月にワタシもはじめていったのですが、 このムリクタニをオーダーして、ちゃんと飲み干せる人は、年間に一人二人しか いないとのこと。 そんなこと言われた日にゃ、ますます燃えるってもんですよ。  意気揚々とムリクタニをオーダーし、しばらくして運ばれてきたのが、コレ。  多量のコショウ(グリーンペッパー)とターメリックのために 黄土色と深緑と灰色が混ざったような色をしていて、コショウのキツイ香りとターメリックの 苦い香りがモワーンと漂っておりました(^^;

スプーンですくって口の中に入れると、 口の中でコショウの粒がジャリジャリと音を立てるほどに入っているではありませんか!  味もコショウの辛い味と ターメリックの苦い味そのものですし、 そのうち、頭の毛穴が大きく開いきて、そこからワタシの中の邪悪な魂が煙や汗となってモクモク・ドバドバと 出て行くような幻想におそわれちゃいましたよ。 いやーすごいすごい、こんな食べ物アリかよ、まったく。  そんでもって、そのような末、2006年のムリクタニ完食第一号の名誉はワタシの頭上に輝いたのでした♪

でも、これほど辛いのに、食べ終わった後に口の中に辛さが残らないんですねぇ。  そういう意味では超激辛カレーの挑戦喰いとはまったく後味が違います。  そして、ムリクタニを食べた後は食欲中枢が刺激されたのか、 この店自慢のムルギーランチが出て くるのが待ち遠しいったらありゃしなかったです。  (ここのムルギーランチは絶品です。 いやー美味しかったなぁ。)

で、このムリクタニ、食べ終わると口の中に辛さが残らないのは良いのですが、  開いた(ように感じた)頭の毛穴だけは相変わらず開きっぱなし(のような感じ)で、 その日は床についてからも、頭から煙が出っ放し(でいるような感じ)でした。。。



ちなみにコショウですが、漢方理論において、帰経は「肺」「腎」となっています。 (左の「スパイス一覧表」でペッパーの項目を見てください)  またこれを五行陰陽説に当てはめますと、「肺」は「腎」と相生、「肝」と相剋となっており、 「腎」は「肝」と相生、「心」と相剋となっています。  つまりコショウを大量に摂取した場合、(やっぱりという感じもしますが)心臓に負担が かかる可能性が出てきそうですので、「心」に帰経を持つスパイスも一緒に摂った方がなんとなく 良いかなぁって感じがします。

ま、ワタシの生兵法の漢方理論ですからアテにはならないかも しれませんが、この「心」に帰経を持つスパイスの中にターメリックやシナモンがあるんですねぇ。  これってまさにカレー粉の原料じゃないですか! てことはこの「ムリクタニ」は漢方理論的にも非常に 理にかなった料理だってことになりませんか? いやー凄い凄い、なんてったってインドの医術「 アーユルヴェーダ(“生命に関する知識”という意味らしいです)」ってのは 漢方医学よりも古い歴史を持ち、生薬の精製の仕方も非常に複雑は方法がある、 とても優れたものなんですから。

と、いうことで、インドの偉大なる知識が生んだ超コショウのスープですが、 普通の人にはかなり無理のある辛さと味だと思いますので、 どうしても食べたいというのであれば自己の責任の元、かなりの覚悟を決めてオーダーしてください。  特に医者から刺激物を止められている方には絶対にやめた方が良いと思いますよ。  でも、クセになる味なんだよなぁ。。。。。。