研究ノート

鰻と梅干の喰い合せの謎を考える

鰻と梅干。 喰い合せが悪いとされる代表コンビなのだが、果たしてその理由は何なんだろうか。

解るようで解らない、鰻と梅干の喰い合せの理由を考えてみたら、ある真理が浮かび上がってきた。
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もしかしたら、若い世代には“喰い合わせ”という表現をご存知ない方も
いるのかもしれない。

“喰い合せが悪い” とは
単体では普段普通に食べている食品なのに、
ある食品とある食品とを一緒に食べることで、
身体に悪影響を与える組み合わせのことを指す。

鰻と梅干との組み合わせが、その代表格なのだが、ビタミンA、B群、D、Eに富み、
夏バテ防止に効くだけではなく、
究極の美容食という称号もあるらしい鰻と、昔ながらの保存食で、
健康食としても注目されている梅干とが一緒になると、なぜ身体に良くないとされているのか?

そこには科学的な根拠はあるのだろうか?


鰻と梅干の喰い合わせを考える前に、まず他の喰い合わせを考えてみたいと思う。
ある程度上の世代では今でも根深く信じられている主な
悪い喰い合わせとして下記のものを取り上げ、これらについて考察してみる。

例えば「天婦羅+スイカ」のように、
胃にもたれやすい天婦羅とお腹を冷やしやすいスイカとの組み合わせは、
感覚的に「ああ、喰い合せが悪そうだ」と解る。

また、食品の旬がずれいている場合も解りやすい。
保存技術のなかった当時、旬が違う食品を一緒に食べると、
どちらかの食品が傷んでいた、なんて場合が多かったのだろう。
恐らく「アサリ+松茸」などはこれにあたると思われる。

また、カニ+柿、鮎+ゴボウは、直感的に身体に悪そうとは思わないし、
旬が違うからという解釈もあてはまりそうにないが、取り立てて美味しい組み合わせとも思えない。

カニと柿は “単に色が似ている” という以外の関連を見出せないし、鮎とゴボウは、“どちらも香りを楽しむ食材” という
キーワードしか思い浮かばない。 そもそも、カニを柿と一緒に食べたり、鮎とゴボウとを一緒に調理した料理なんてあるのだろうか?
ま、調理法は “つくればある” だが、そんな料理、あまり食べたいとも思わない。

つまり、カニ+柿 とか、鮎+ゴボウ を 喰い合せが悪いとするのは、“単に色が似ているから、単にどちらも香り高い食材だからという単純な理由で、
一緒に料理するのはダメですよ” という “母から娘に伝える料理の基本” みたいなものではなかったのか。


そのようなことを踏まえて、本題の「鰻+梅干」を考えよう。

梅干は保存食なので、そもそも“旬”というのは存在しずらいので“旬がずれているタイプ”には
当てはまらないし、また、“直感的に良くないタイプ”にも当てはまらないと思う。

確かに「脂が乗ってコッテリ系の鰻」と
「スッパイ系の梅干」は対極なのだが、
脂の乗ったサンマにスダチやレモンを絞るのは極あたりまえのことなので、
“脂と酸味だからダメ”という直感は働きずらい。

また、そういう意味で
“料理の基本” から外れているような気もしない。

恐らく「鰻+梅干」には現代の科学や日常常識では解明できない、
なにか特別な理由があるのではないだろうか。


「じゃあ、そういう組み合わせで食べてみて、なにが起きるか試してみよう。」 と思っていたら、
なんと梅干を使って味付けした鰻丼をいただけるお店があるではないか!
お店紹介は今回の意図ではないので、単に 「人形町にある某鰻屋」 とだけしておくが、
その「鰻+梅干」の鰻丼が右下の写真だ。

で、食べてみた。
旨い。すごく旨い。もうとにかく旨かった。
うなぎの濃厚な味が梅干のスッキリとした酸味で、実に上品に引き立つのだ。

別にその後、腹を壊すこともなかった。
じゃあ、なにがいったいダメなんだろうって事だが、やっぱり単なる迷信なんだろうか?

いやいや、きっとなにか良くないことがあるはずだ。
ワタシは「言い伝えには絶対に根拠がある」という信念を持っている。
「鰻+梅干」 にはきっとなにか良くない根拠があるはずなのだ。

そんなわけで、実は最初にこの鰻丼を食べて以来、ここ1週間、
上に紹介したお店で毎日 “梅干で味付けした鰻丼”
(ホントは正式な名称があるのだが)を食べ続けてみた。

連続して食べれば「鰻+梅干」による悪影響が身体に現れ、
喰い合わせ秘密が解明されるかもしれないと思ったからだ。

ところが、1週間 「鰻+梅干」 を食べ続けたにも係わらず、
なにも変わったことは起きない。 腹を壊すことはもちろん無いし、
持病の痛風の発作が起きるということもない。 それどころか、
いつも誰かに見られているような感じがするとか、
剃刀を仕込んだ宛先不明の郵便物がいつもより多めに送られてくるとか、
そういったことすら一切ないのだ。

しかも、毎日連続して食べているにもかかわらず、すごく旨い、全然飽きない♪

強いて言えば、毎日2000円も昼飯代がかさんで懐具合がヤバイってことぐらいだろうか。 ま、これは確かに結構厳しい。。。

おっと、ちょっと待て。
もしかしたら、これが鰻と梅干の喰い合せの悪さの真相なのではないのか?
つまり “喰い合わせが悪いかどうかを確かめるために毎日食べるとお金が無くなるから”
というのが、
鰻と梅干とは喰い合せが悪いとする理由なのではないのか?

この鰻丼を出すお店の説明によれば、“鰻と梅干との組み合わせはとても美味しくて食べ過ぎて
しまうから、悪い喰い合わせだと言われ続けてきた” とのことだ。

この理論は、ワタシの意見と五十歩百歩のレベルのような気がしてならない。。。
本当にこんな理由で、鰻と梅干とは喰い合せの
悪い代表になっていたのだろうか。 ワタシの中で謎は一向に解決されていない。

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