【Delicious】 井戸から湧き出る炭酸水/太陽炭酸水 (Fukushima pref.)
この井戸からは本当に炭酸水が湧き出ているので。 炭酸の度合いとしては、「ピリピリ感がちょうど良い」って 感じですかね。味もマイルドなのでハイボールにも合うようです。
だもんで、飲食店の方が大量に汲みに来るようで、 「あんまりたくさん持ってかないでね」的な張り紙が張られていました。
中学・高校で学んだ知識を掘り下げて、 この炭酸水について詳しく説明したいと思います。
周知のように、 海底で形成された石灰岩がプレートテクトニクスによって 地殻最深部へと運ばれマグマと接触すると、 通常は変成作用を受けて大理石に変化します。
しかし、石灰岩がマグマと完全に融合すると、 石灰岩の主成分である「CaCO3」は「CaCO3 → CaO + CO2」 という反応で分解し、大量のCO2を放出するのだとか。
そして、石灰岩を含むマグマが地殻深くに存在し続ける場合、 CO2は圧力と温度によってマグマの中に溶け込んだままになります。 しかし、マグマが上昇するにつれて圧力と温度が低下し、 CO2が再放出されます。
この時近くに地下水があれば、 二酸化炭素が地下水に溶け込み、 炭酸水になるというのが、天然炭酸水の原理です。
しかし、日本列島は地球のプレート境界に沿って 形成されているため、 上記の理由だけだと、 もっと多くの「天然炭酸水」が湧き出ているはずですが、 そうでない理由は、おそらく以下の通りです。
(1)石灰岩がマグマに完全に組み込まれる反応は起こりずらい。
(2)石灰岩を完全に取り込んだマグマは、 しばしば地下深くで停滞したままになる。
それらの理由をもう少し詳しく掘り下げると次のようになります。
マグマの種類は通常、二酸化ケイ素含有量によって分類されます。 二酸化ケイ素含有量が低いほど、流動性が高くなります。 二酸化ケイ素含有量の低い順に、「玄武岩質マグマ」、「安山岩質マグマ」、「デイサイト質マグマ」、「流紋岩質マグマ」と呼ばれます。
このうち、日本列島の地下には「安山岩質マグマ」が多く存在します。
したがって、日本のマグマは中程度の流動性 (完全に流動的でも完全に粘性でもない)を持つため、 石灰岩(CaCO3)を完全に取り込む確率は高くないようです。
さらに日本周辺の断層近傍の構造上、 海底で形成された石灰岩がプレートテクトニクスによって 地殻深部まで引き込まれたとしても、 マグマが存在する最深部まで完全に引き込まれることが少ないということも挙げられます。
よって日本列島では、石灰岩他マグマによって完全融解 されるよりは、マグマとの接触による変成作用 (石灰岩が大理石に変化する現象)を起こす方がより一般的なのです。
さらに、石灰岩がマグマによって完全に溶融した場合でも、 マグマの粘性は低くないため、 上昇頻度(速度)は小さくなります。 したがって、CO2はしばしば地下深くに閉じ込められ、 マグマに取り込まれたままになるようです。
これが、 日本に微炭酸水が採れる井戸が少ない理由のようですねぇ。
この「天然の炭酸水」は「太陽水」と名付けられ、 明治時代に会津藩の武士によって販売されていたようです。 その後、「芸者印炭酸ミネラルウォーター」という名称で 海外に輸出もされていたのだとか。 ※「芸者印」ブランドの炭酸水は今もなお存在しています!