一人旅ネタ&散歩ネタを紹介|けさらんぱさらん|

●パラボラを観に行ったらシミュレーションにハマってしまった


ライン

1.憧憬ロマンの象徴 パラボラアンテナ

2020年(令和2)に稼働を開始した直径13mの「Ku/Ka帯送受信用」の巨大なパラボラアンテナです。ちなみにKu帯とは無線通信で用いられる周波数帯域のうち12GHz〜18GHzの帯域を指し、Ka帯は主に衛星通信で用いられる無線周波数帯域のうち27GHz〜40GHzの周波数帯の地上波との混信が少ない帯域なのだとか。

埼玉県南東部の鳩山町にある「JAXA 地球観測センター」は、人工衛星を用いて地球の環境状態を観測する(これを「リモートセンシング」と呼ぶようです)技術を開発するために設立された施設で、超カッコいいパラボラアンテナを用い人工衛星からの様々なデータを受信し、それを筑波宇宙センターへと送っているのです。

何故にパラボラアンテナってのは、こうも男心をくすぐるんでしょうかねぇ♪ ボクは少年時代、ボール紙でパラボラアンテナを作っては天井やベランダにぶら下げていたのですが、同じような経験がある方も少なくないんじゃないですか?

今回は「ただ単にパラボラアンテナを見に行くドライブ」に出かけてまいりまいした。晴天の空には白いパラボラアンテナが良く似合うんですよね!

X帯受信アンテナ。地球観測衛星「だいち2号」の観測データを受信しているようです。たまーに動くらしいですよ♪

気になるのが「ヘビ(マムシ)に注意」のマーク。パラボラにはロマンを感じますが、ヘビにはどうもねぇ・・・。

ライン

2.凄い「シミュレーション・マシン」を見つけてしまった!

単に「パラボラアンテナを観に行った」だけなので、施設内を(立ち入りオッケー区域内を)ウロウロし、あとはチョコっと展示室を覗いて帰ろうを思ったのですが、休憩所のようなところに人知れずに設置してあった「はやぶさシミュレータ」にすっかりとハマってしまったのです。

普通の休憩スペース的な場所に置かれているので、他の来場者からは目もくれられない存在なのですが、やってみるとこれがなんともスゴーーーく面白いんですよ♪

展示室がある建物の屋根にも「球体のアンテナらしきもの」が設置されていて、これまたカッコいいんですよね。

入り口から見ると、メインの展示室の反対側にある休憩所のようなところに置かれた「はやぶさシミュレータ」。地味な外観なので誰も興味を示していませんでしたが、やってみるとマジで面白いんですよ!

この画面からシミュレーションの種類を選びます。すんなり成功できるのは最初の「小型探査機の打ち上げ」ぐらいじゃないでしょうか? 結構ハードな内容なんですよ。

これが「打ち上げ」のシミュレーション画面です。発射の垂直方向の角度と水平方向の角度を設定して発射させます。地球の自転の方向に上手に合わせると同時に、大気の摩擦をなるべく避ける垂直方向の角度を決めるのがポイントです。ま、これは意外と簡単にクリアーできるでしょう。

地球の重力場を利用して探査機の進む方向を変える「スイングバイ」のシミュレーション画面です。このあたりから結構難しくなるんですよね♪

制御不能になった「はやぶさ」のスラスター(二軸あります)を点火させることで、太陽光パネルを太陽方向に向けて機体を静止させるシミュレーションです。慣性力を考慮しながらスラスターの出力を微妙に調整するには「職人技」が必要なんです。

「いとかわ」の表面に「はやぶさ」を着陸させる「タッチダウン」のシミュレーション画面です。3次元方向のスラスターを微妙に操り、マーカー設置場所に着陸させるのですが、もうこのあたりになると「神業」が要求されるレベルなんですよ。

「サンプルリターン」における「大気圏進入角度」を調整するシミュレーション画面です。角度を間違えるとカプセルが「燃え尽き」たり「宇宙空間へ弾き飛ばされ」たりしてしまいます。

これは上級編のシミュレーション。地球周回軌道における軌道の変化をさせるためのシミュレーションです。物理学の知識があるとより一層楽しめますよ。

おなじく上級編。希望する地球周回軌道に衛星を乗せるためのシミュレーションです。

この「はやぶさシミュレータ」、装置も地味で設置場所も休憩スペースだし、子供には何のことか解らないレベルのシミュレーションなので、誰からも見向きもされない感じでポツンと置かれていましたが、「理系おやじ」にとっては最高の遊び道具でした。

この日も1時間以上も遊んでいましたし、2週間後に再度訪れた時は2時間近く、それこそ頭がクラクラになるまで遊んでいましたよ♪

地球観測センターはそもそも見学者が少なく(常時1組か2組)、その上、見学者はほぼ「展示室」を見ていて、帰り際に「ガチャ」も置いてあるこのスペースにちょっと寄っていく感じなので、シミュレーションマシンのある部屋はほぼ人がいないのです。(子供連れの大人としては、ガチャが並べられたこの部屋に長時間いると、子供がねだって困るので、すぐに帰ってしまうのです♪)

「理系おやじ」にはもってこいの遊び場ですよ♪

ライン

3.展示室も充分楽しいです

展示室は明かりも落とされ宇宙をイメージした青色のライティングでかなり良い雰囲気です。

ボクは外でパラボラアンテナを眺めていたり、はやぶさシミュレーションを頭がクラクラするまで遊んでいたりしていましたが、普通の見学者はやはりこちらの展示室がメインなのでしょう。

いろいろと遊べるものもあり、ディスプレイもカッコいいのですよ。よいこは展示室で遊んで、「はやぶさシミュレータ」は「理系おやじ」に独占させてくださいませ♪

春には、「桜の花と純白のパラボラアンテナ」という、実に見事な景色が楽しめそうです♪ ただくれぐれもマムシには気をつけましょう。