一人旅ネタ&散歩ネタを紹介|けさらんぱさらん|

●新宿御苑でカメを探す


ライン

1.新宿御苑にカメはいるのか

上の地図で判る通り、新宿御苑は“魔界都市”新宿にあるにもかかわらず、周囲3.5キロメートルもの超巨大な公園なのです。どれくらい巨大なのかと言うと、良く晴れた初夏だと午前中にも関わらず、軽く散策した程度で疲労困憊し次の日をほとんど寝て過ごさなければならないくらいの広さなのですよ。

ま、これはボクが60歳過ぎて、かなり生命力が落ちてきたせいだからかもしれませんが、とにかく広いのです、それは間違いないです!

開場と同時に、国内外の幸せそうなファミリーやカップルがなだれ込んでいく“魔界のオアシス”に、本日ボクは“カメを探すためだけ”にやってきたという訳です。果たしてカメは生息しているのでしょうか?

開場前からたくさんの“幸多そうな方々”が並んでいましたが、おそらく“カメを探しにきた方”は皆無だったと思います。

公園のすぐ向こうには“情け無用のオフィス街”と“混沌とした闇の世界”とが広がっているのです♪

新宿御苑には大きな池があるので「水辺にはたくさんの雑多なイキモノたちがウジャウジャいるんだろうなぁ」と思っていたのですが、改めてよく見るとほとんどの池の周りは“キチンと護岸整備されている”ため、陸上と水中とを行き来するイキモノにとっては結構住みづらい場所なんじゃないかな? と思った次第です。こういう人工的な所が新宿らしいって気もしますけどね。

ライン

2.ボクはカメに愛された男

しかし、ボクは幼少の頃にカメを飼い(ちゃんと冬眠までさせていた)、ゴジラよりも断然「ガメラ派」だったので、当然、カメを見つける特殊能力だって備えているのです♪

いやむしろ、今回はカメの方からボクに呼びかけてくれたようでした。ボクはカメに愛された男なのかも!

池に浮かんだ島から「カメのオーラ」がボクに向かって照射された!

中国っぽい建物の中から島を眺めると、いた、いましたよ、カメが!

ボクのカメラのレンズは「銀塩換算50ミリ」だったので、ギリギリここまでしか写りませんでしたが、扁平な甲羅はどうやら外来種のアカミミガメっぽい感じがしますねぇ。

こんな感じで「カメとのファーストコンタクト」ができたのですが、前述したように新宿御苑の「大きい方の池」は垂直にコンクリート製の丸太っぽいもので護岸整備されていますので、あまり「カメっぽくない」んですよ。

それで、地図右上にある「玉藻池」を探ってみることにしました。

玉藻池の向こう側から「カメ」が呼んでいる!

向こう側に渡ると、カメのところまで(立ち入り禁止区域じゃなくて)結構近づけました!

上の二枚の写真のカメ、扁平な甲羅、東部側面の赤い線、頸部の黄色い線がハッキリ判ります。まずアカミミガメで間違いないでしょう。

これ以外にも他の池を泳いでいるカメを何匹か見つけたのですが、この日はアカミミガメ以外のカメは見つけられませんでした。新宿御苑は外来種のアカミミガメに占拠されているようですねぇ。

このあたりも「新宿」の「夜の街の事情」と被っているのかなぁ。

ライン

3.世界カメ戦争を知っているか

日本固有のカメ

ま、ボクは別に「カメ博士」ではないので、ザックリとしたことしか知りませんけど、日本固有のカメに「イシガメ」という種類がいます。

小学生時代のボクの地元でカメを飼っていた友人たちのほとんどは「イシガメ」を飼っていましたねぇ。茶色っぽい色の甲羅で、尻尾ちかくの甲羅がギザギザしているのが特徴でした。

ボクはたまに東京の「池のある公園」でカメを探しに行くのですが、イシガメを見つけることはほぼ無いです。以前紹介した 小石川後楽園 ではイシガメっぽいのを確認しましたが、圧倒的に数は少ないような気がします。

外来種に駆逐されたのか、それとも外来種との交配によってその特徴が消えていったのか、ま、そんな理由なんでしょう。

国産ガメとしては他にも「クサガメ」というのがいます。一説には「中国大陸から渡ってきた」なんて言われているようですが(よく知らんけど)、ボクが小学生時代は「イシガメとクサガメは日本産、ミドリガメは外国産」というのが「地元の通説」で、ボクが飼っていたのもクサガメでした。

クサガメは甲羅の形状がカッコよくて、中央と左右に「縦に突起が走っている」のです。色もイシガメよりも黒っぽく、その形態はモッサリとしたイシガメと比較して断然スタイリッシュなのですよ!

今回の探索ではイシガメもクサガメも見つけることはできませんでしたが、また別の機会に新宿御苑をぶらついてみたいと思います。

外来種の勢力拡大

東京の公園で見つけることができるカメは、圧倒的に「アカミミガメ」ですねぇ。名の通り「耳っぽい部分が赤い」のが特徴で、他にも前述したように「首の黄色い線」「扁平な甲羅」が目印です

どうやらアカミミガメはアメリカ原産らしいです。若い個体は「ミドリガメ」と呼ばれていて、ボクが小学生時代には「ミドリガメブーム」が起きたのですよ。

ペットショップで販売されていたのはもちろん、縁日で「カメすくい」なんていうのも流行って、みんなこぞってミドリガメを集めていました。ミドリガメは小さくて(5センチ程度)、まさに「集める」という言葉がピッタリだったのです。

そんな小さなカメが大人になると実はこんなに巨大になるなんて、当時のボクは知る由もありませんでしたねぇ。鼻たれ小学生が「飼うのに飽きたミドリガメ」をそこらへんに捨てまくり、それが現在の「アカミミガメによる国産ガメの駆逐」へと繋がっていったのでしょうか。

なんでもアカミミガメの拡大は世界的に問題視されているらしく「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれているのだとか!

劣悪な環境でも生き延びることができるため、東京などの都会では「単一的優先種」となるようです。

国産カメを探せ!

そんな感じで「アカミミガメの勢力に追いやられている国産ガメ」ですが、還暦を過ぎてますます愛国者になってきたボクとしては、やっぱり「国産ガメの復興」を応援したいですねぇ。ま、どうやって応援するのかは解らないですがw

とりあえずは、公園探索をするときは「イシガメ」や「クサガメ」を探してみることを続けたいと思います。皆さんにも是非、国産ガメに興味をもっていただきたいなぁ。

まずは「興味を持ってもらうこと」、これが大事だと思うんですよね。よろしく哀愁です♪

新宿御苑をカメラを持って散策するほとんどの方は、上のような鳥を狙っているようですねぇ♪